やよいメディカルクリニック

クリニック便り~研究会報告:第69回和歌山県インスリン治療懇話会~


令和3年4月3日(土)、公立那賀病院をはじめ複数のサテライト会場にて第69回目の和歌山県インスリン治療懇話会が開催され、当院より坂頭院長が一般演題の発表を行いました。

この研究会は歴史も長く、糖尿病治療に携わる者にとって他の施設の取り組みや、最新の知見を得る場として多くの関係者が集う研究会です。

今回の特別講演には昨年8月に和歌山県立医科大学 内科学第一講座の教授に就任された松岡孝昭先生が「糖尿病合併症予防のために~膵β細胞を護る~」と題して、コメディカルにも非常にわかりやすい説明を交えながら講演をしていただきました。

また一般演題の内容もバラエティーにとんでおり、今話題のSAP療法(パーソナルCGM機能を搭載したインスリンポンプ療法)や透析予防関連、動機付け面接の活用やCOVID19と糖尿病の関係についてなど非常に内容の濃いものでした。

坂頭院長による演題発表は「自己免疫性溶血性貧血による偽性HbA1c低下時の高血糖管理におけるCGMの有用性」と題して、当院で経験した2型糖尿病症例に関する発表でした。

自己免疫性溶血性貧血とは自身の赤血球に結合する自己抗体 (蛋白)ができて、赤血球が異常に早く破壊されておこる貧血で、こういった状況では赤血球の寿命の短縮や幼若赤血球の増加によりHbA1cは低値を示すので、HbA1cを血糖コントロール指標として用いることが困難な状況になります。
しかしながらこのような病態下でも、従来のGA(グリコアルブミン:過去2週間程度の血糖コントロール状態を反映する指標)に加え、CGM(持続グルコースモニタリング:皮下に刺した細いセンサーにより皮下の間質液中の糖濃度(間質グルコース値)を持続的に測定することで、1日の血糖変動を調べる方法)を利用した評価を加えることが有用であるということを報告されました。

当院でもCGMを利用した症例は増えており、より良い治療を目指すためにも活用を進めていきたいと考えております。

http://www.yaeikai.com/medical-index.html

投稿者:クリニック広報

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