介護老人保健施設やよい苑

メッセージノートによる看取りに関する意見交換会


平成26年11月13日(木)当苑のデイケアセンターにおいて、「メッセージノートによる看取りに関する意見交換会」を開催致しました。

今回の意見交換会は、那賀圏域医療と介護の連携推進協議会の取り組みの一つである、メッセージノートを活用し施設や在宅での看取りについて、日頃より連携推進協議会でお世話になっている、安川診療所 院長 安川修先生と岩出保健所 保健福祉課 釜坂様をお招きしました。

メッセージノートとは、那賀圏域医療と介護の連携推進協議会~家に帰ろう実行委員会~が、地域で生活されている皆様に対して「人生のゴールまで自分らしく生きるために」という思いを込めて作成したものです。

このメッセージノートを、施設や在宅での看取りにどのように活用できるかを改めて考える為、10月29日、31日に全職員を対象に、まずは自分のメッセージノートを書いてみよう!と事前に勉強会を実施しました。

全職員が、自分の人生や死、家族の人生や死について真剣に向き合い、ノートを書いてくれました。ノートを実際に書いてみてどんな事を感じたか、このノートを施設や在宅でどのように活用できるかを話し合いました。

事前に、メッセージノートを使った看取りに関する勉強会を行ったことで、施設での看取りに対する不安や葛藤が、職員の心の中にまだまだ存在することを改めて感じ、今回は、安川先生に御無理をお願いし、講話をしていただきました。

皆様は、「看取り」や「死」についてどのように考え・感じておられますか?そもそも看取りとは?死とは?
安川先生はこれまで数々の看取りに立ち会ってこられましたが、ご本人様を取り巻く家族や親族の皆様と関わる中で「看取り」や「死」に対する知識や理解が乏しくなってきていると実感されたそうです。
その背景として挙げられたのは、急速な医療技術の進歩と私達自身の認識によるものが大きく、30年ほど前までは自宅での看取りが多かった事に対し、最近ではそれが逆転し医療機関や施設での看取りが多くなっているそうです。

そうなると、これまで生活の中で「死」が身近に感じられていた(存在した)時代から「死」を身近に感じられない(遠ざける)時代へと移り変わり、その結果として「看取り」や「死」に対して恐怖を感じるようになりました。(知らない事が恐怖を増大させる為)
そういった事が看取りの文化を消失させてしまい、「看取り」や「死」に対する知識や理解を乏しくさせる事に繋がったようです。

「死」もまた「生」の一部であること

メッセージノートは、私たちの生活の中で切り離せない「死」について考えるきっかけとなるもので、元気な人に見て欲しいという想いがあるそうです。
安川先生は最後に、「看取りは学びの場」という事を言われ締め括られました。

年を重ねて、ふと病気になった時や体が不自由になったときのことを考えると、様々な不安が心をよぎります。人にはそれぞれの人生があり、それぞれの人生のゴールがあります。元気なときに、自分の人生を振り返り、自分の最期を考えることは、決して無駄ではないと、実際にメッセージノートを書いて思いました。

当施設でも、自然な形で家族や顔見知りの職員に囲まれて最期を迎えさせたいとの思いに寄り添い看取りケアを行っています。今後も、利用者様がその人らしく人生のゴールを迎えられるよう支援していきたいと思います。

最後に、このメッセージノートは当施設やよい苑を始め那賀圏域の病院や施設、また、市役所等に設置しております。興味のある方は是非、一度自分の人生を振り返り、自分の最期を考える機会に活用してみてください。

最後になりますがお忙しい中、講和をして下さいました安川先生、釜坂様、本当にありがとうございました。

介護老人保健施設やよい苑HP

投稿者:医療と介護の連携推進協議会 担当・黒田

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