介護老人保健施設やよい苑

栄養士のためのスキルアップセミナー


主催:株式会社日本医療企画

共催:株式会社東洋精米機製作所・和歌山県老人保健施設協会

6月25日(土)わかやま館(和歌山マリーナシティ内)に於いて行われました。

開会挨拶では和歌山県議会議員・和歌山県老人保健施設協会顧問の山下直也先生がご挨拶されました。

講演1では、甲南女子大学名誉教授・奥田和子先生による講演で、講演2では、和歌山県立医科大学准教授・宇都宮洋才先生による講演、その後に、当施設より黒田看護師長、管理栄養士・井内による事例発表をさせて頂きました。

講演1

奥田和子先生による「巨大地震への備えー食料と飲料水に不自由しないために」の講演は、実際に災害が起きた場合に今の備えで本当に大丈夫なのか、再度、見直しが必要だと考えさせられる内容でした。

今年3月に起きた東日本大震災での食生活の現状は、かなり偏りのある内容だったようです。

発災後1ヶ月で、1日2食おにぎりとパンのみ・・・摂取カロリーは満たしているものの、他の栄養素が全然足りない。肉・魚・野菜・豆類等が採れていない。

今の不自由ない暮らしで、こんな事が想像つくでしょうか?

まだこの地域に何も起こっていないので、自分達に危機意識が薄いのかもしれません。

災害が起こった場合の県の対応(災害救助法)もあるそうですが、実際は適用が大変遅かった、ということです。

他人をあてにせず、自分の食料は自分での確保が必要である・・・どこかから、食料が支給されるのをあてにしてはいけない、待ってられない・・・そういう現状があったのだと、ひしひしと、感じました。

想定が甘かったということのないように、施設のことも家庭でのことも再度、見直しが必要だと思いました。

講演2

宇都宮先生による「今注目を集める『亜糊粉層』と『梅干力』」の講演は、梅のパワーと、金芽米のパワーについてでした。

宇都宮先生は「梅干先生」と呼ばれているほどで、梅の研究をされています。

インフルエンザウイルス増殖抑制効果・動脈硬化予防・糖尿病予防・二日酔い予防・高血圧予防等・・・驚くほど、梅にはパワーがあるそうです。

でも、塩分が気になるという場合、梅エキスでも同じ効果があるそうです。

また、当苑でも使用している金芽米ですが、通常の精米とは違い、亜糊粉層という層や胚芽の一部が残っていて、栄養価の高いお米です。

このお米も栄養価が高い分、動脈硬化予防やメタボリックシンドローム予防等があります。

紀州特産の南高梅と金芽米を一緒に食べると、すごくパワーがある!・・・ということですね。

最後に当施設からの事例報告です。

金芽米をH22.10~H23.5まで継続摂取した入所者様の結果報告です。

ご縁があり、金芽米を使用することとなりました。

金芽米は玄米ほどに栄養価が高く、白米ほどにおいしいお米です。

白米から金芽米に変えるだけで、病気の予防効果があるとは、本当に驚きでした。

使用してみて、定期血液検査からの結果、中性脂肪値やコレステロール値の減少・貧血のリスク改善・またBMI(肥満度)が非常に低い方の改善・便秘の改善・コスト削減など・・・お米がおいしい上に、色んなことが改善されている等、良い結果が出て、ますます驚きました。

たかが「米」、されど「米」・・・金芽米を通して、主食の重要性を改めて認識することができました。

今回の発表にあたり、たくさんのスタッフの協力を得られましたことをお礼申し上げます。

投稿者:管理栄養士・井内

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