皆さん、突然ですが、認知症ケア専門士という資格をご存知ですか?
認知症ケア専門士とは、認知症に対する優れた学識と高度な技能、および倫理観を備えた専門技術士を養成し、わが国における認知症ケアの技術の向上ならびに保健・福祉に貢献することを目的として設けられた日本認知症ケア学会が認定する資格です。
国家資格や公的資格ではないのですが、全国に約3万人資格を持っている人がいます。
受験資格は3年以上の認知症ケアの実務経験がある人で、試験は第1次試験(筆記)と第2次試験(論述・面接)があります。
合格しても研修等に参加し、5年間で30単位取得しないと更新できません。
私はケアマネージャーという仕事をする中で、認知症に対する知識が必要だと思い、昨年、認知症ケア専門士の試験を受け、合格することができました。
そして、認知症ケア専門士の資格を取得したこともあり、私は平成24年5月19日(土)~20日(日)に静岡県のアクトシティ浜松で開催された第13回日本認知症ケア学会大会に参加してきました。
認知症に関する様々なテーマについて、9つの会場で同時に講演や発表を行う形式だったので、興味がある講演や発表を聞いてきました。
その中で印象に残ったことを報告させていただきます。
今まで認知症の薬といえば、1999年11月に発売されたドネペジル(製品名:アリセプト)だけでしたが、2011年、新たにガランタミン(製品名:レミニール)、リバスチグミン・パッチ(製品名:イクセロン・パッチ、リバスタッチ・パッチ)、メマンチン(製品名:メマリー)の3種類の薬が使用できるようになりました。
4種類全て認知症の薬ですが、それぞれ特徴や作用が異なることがわかってきました。
今回、そのことについて触れる講演が多かったように思います。
例えば、認知症の周辺症状(暴言や暴力、徘徊等の陽性症状と無気力や無関心、抑うつ等の陰性症状がある)のどの症状に対して効果が見られるかが、それぞれの薬で異なります。
思うように薬の効果が得られない時は、薬を変更することもできます。
また、メマンチンと他の認知症の薬が併用できたり、薬の内服が困難な人に対して貼り薬(リバスチグミン・パッチ)が使用できたりと、今までより認知症の薬物療法の幅はかなり広がりました。
今回、第13回日本認知症ケア学会大会に参加させていただきましたが、どうしてもケアマネージャーの視点で講演や発表を選択してしまうので、他施設の取り組み等はあまり聞くことができませんでした。
最新の情報や参考になる取り組み等がたくさんあります。
認知症ケア専門士でなくても参加できたと思うので、来年、近畿で開催されるようなら参加してみませんか?
尚、第13回日本認知症ケア学会大会プログラム・抄録集を購入してきたので、読んでみたいと思われる方は支援室の谷所まで気軽に声を掛けて下さい。
投稿者:ケアたまご