法人内で働くある職員とその母親についてのご紹介になります。
その方の母親は現在57歳で、18歳から看護師になって以来、産前産後休暇以外はずっと看護師として救急指定や入院設備のある病院でのみ勤務されておりました。
医療に携わる母親と、福祉に携わる職員との話では利用者様(患者様)に対してのケアの方向性が噛み合わなかったそうです。
ところが、現在、勤務されている病院が入院設備を無くしクリニックとして体制を変更することになり、その母親自身は今の仕事を辞めるか続けるか悩まれていたようです。
また、クリニックへ体制変更しただけでなく新たに訪問看護ステーションを開設する事にもなったそうで、その母親は近くの訪問看護ステーションを開設している事業所へ行き、訪問看護師に同行して勉強してくるように勤務されている病院から依頼があったそうです。
その母親自身も抵抗はあったようですが、訪問看護師の仕事を経験しようと決心し同行されました。
病院とは違い、訪問看護師として利用者様のご自宅へ訪問し仕事をする大変さや、病院では患者様に何かあればすぐに医師へ連絡し処置にあたっていた事もご自宅ではそう簡単に出来るはずもなく、如何に利用者様の状況、ご自宅の状況、ご家族様の状況を理解し、適切なケアにあたるのかという事にとても奥深い仕事だと気付かされたそうです。
元々、訪問介護や訪問看護に対してのイメージが良くなかったそうですが、その同行をきっかけにイメージが180度変わり、職員と母親の会話についても噛み合う事が増えてきた事や、57歳にして今までの自分の考え方や行動が恥ずかしいとも言われているそうです。
また、そうした経緯を経験した職員からは、今回のきっかけを通して医療と福祉は共に利用者や患者様に対して適切なケアを行う為にも、医療は医療、福祉は福祉、という考え方ではなく、【医療ありきの福祉】、【福祉ありきの医療】という考えを持つ事がとても重要な意味を成すのではないか。という考え方になったそうです。
何事も経験という言葉はよく聞く言葉ですが、本当に大切な事は経験してからどのように学び、どのように活かすかだとこのお話を通じて感じました。
投稿者:広報委員長・イニシャルD