一般的に糖尿病というと「2型糖尿病」を指すことが多く、これは血糖値の上がりやすい体質が関係したり、生活習慣の乱れが原因となったりすることが多い病気です。
一方「1型糖尿病」は、膵臓で作られているインスリンが突然なくなってしまう病気です。
このため、比較的急速に血糖上昇による体調不良が出現し、食事のたびにインスリンを注射することが治療として大変重要です。
また、1型糖尿病は若年者に発症することが多く、小さい子供のうちに発症すると、インスリン注射を毎日実施することは生活をするうえで大きな負担となります。
このような小児1型糖尿病患児を支援するため、医療者だけでなく看護学生、和歌山大学の教員・学生、糖尿病関連製薬会社がボランティアスタッフとして参加し、和歌山糖尿病協会および小児1型患者会(つぼみの会)主催のサマーキャンプを平成3年から毎年実施しています。
このキャンプでは、患児に同じ病気をもつ友人をつくり、インスリン注射や糖尿病の管理について学ぶ機会を提供しています。
今年は8月1日から3日まで「白崎青少年の家」において2泊3日でキャンプを行いました。
残念ながら、期間中は大雨に見舞われ海水浴やキャンプファイヤーができませんでしたが、スタッフの臨機応変な対応で体育館でのゲームやキャンドルファイヤー等楽しく過ごせたと思います。
また、和歌山国体のマスコット「きいちゃん」がゲスト出演し、子供たちを楽しませてくれたり、歯科医師会の先生がボランティアで歯科検診をしてくださったりと多くの方々に支えられての開催でした。
こうした活動を通じ、1型糖尿病が世の中でもっと認知されるとともに、患児が負担を感じなくて済む社会になればと思っています。
投稿者:やよいメディカルクリニック 院長・坂頭 節哉