平成29年5月11日(木)・12日(金)18時よりやよい苑1階大食堂において身体拘束廃止委員会主催の施設内勉強会を行いました。
今回の勉強会は、人権と高齢者虐待について考えることを目的に動画鑑賞を行い、2日間で30名のスタッフが参加しました。
内容は、高齢者の虐待についての動画で2つの事例が紹介されていました。
1つ目は母親と息子の事例で、息子が母親の介護に対して一生懸命になりすぎるあまり気持ちにゆとりが無くなり、結果として暴言や暴力に繋がったもので、事前に地域住民の方がそういった声をキャッチしているにも関わらず、どこまで踏み込めば良いか判断に迷い、そうこうしている内に母親が救急車で病院に運ばれそのまま入院になってしまうという内容でした。
この事例においては、事前に声をキャッチした時点で息子と話ができるような関係の構築をしておく必要があることや適切な相談窓口に相談へ行くなどの対処をすることが必要だったのかもしれません。
最終的には、地域住民の方が電話相談窓口へ連絡を行い適切な機関が自宅を訪問し、息子と話し合いを行い問題の解決に結び付きました。
2つ目は夫婦の事例で妻が病院から退院後、医師からリハビリをしっかりとするように言われた夫が妻の気持ちよりも医師の言葉を尊重してしまい妻にリハビリを強要し、不安定な歩行で何度か転倒された後に骨折し再入院してしまったという内容でした。
妻の入院中に夫は地域包括支援センターの勧めで、介護者の講習会に参加するようになり、次第に自分が妻に対してしたことが虐待に繋がっていたということに気付き、妻が退院してからは妻に謝罪の気持ちを伝え、妻がリハビリを行いやすいように適切なサービスを利用し問題の解決に結びつきました。
どちらの事例に対しても、誰にも相談できる状況でなかったことが大きな原因としてあるように感じました。
高齢者の虐待は命に関わることも多いにも関わらず、身内のことでなかなか他人に相談しづらいという気持ちがあるように思います。
そういった問題を地域社会で共有できるような環境を作りあげることが大切であると動画の中でも言われていましたが、本当にその通りで相談できる存在が非常に大きいのではないでしょうか。
そのためにも、私達のような福祉従事者の存在は大きな意味を持ち、地域で抱えている問題を少しでも解決できるように携わっていく必要があります。
地域の医療・福祉の発展に寄与する意味においても、引き続き地域住民の方と交流を深め、地域にとって必要とされる施設となれるように務めて参りたいと思います。
投稿者:企画広報・土井