やよいメディカルクリニック

クリニック便り~サルコペニアやフレイルと栄養・食事 その③ 『食べたくない、食べられないときの工夫』~

前回のブログ記事までは自分の食事量・食事回数の振り返りを行いました。
ほんの小さいことでも何か気付きはあったのではないでしょうか。
今回は食事量が減ってしまう要因とその工夫を一部紹介させていただきます。

1.小食で一度にたくさん食べられない
* よくある悩みです。食事を計画的に1日数回(5~6回)に分けてみましょう。

下の図は平均的な体位の日本人、75歳以上の男性(身体活動レベルⅠ/低い)の
1日にとりたいエネルギー量を参考にした、小食の方が数回に分けた工夫の例です。

このようにちょうどいいタイミングで上手に分けると1日のエネルギー量を増やすことができます。この際、たんぱく質も十分にとれるように考えましょう。

【ポイント】 特におやつには、たんぱく質を多く含む牛乳やヨーグルトやチーズ、または卵を使ったプリンやカステラなどがおすすめです。あんぱんや肉まんもいいですね。
毎日リハビリや運動の時間が決まっている方は、その後に必ずおやつ(または食事)を食べるようにすると、からだは、より筋肉を作ろうとはたらきます。
「動いたら食べる」、そのタイミングもとても大事です。

2.食欲がない
* 1品に少しずつたくさんの種類の食品を合わせた料理を選びましょう。
1品でも栄養バランスが整い、食欲がなくても食べやすくなります。

* 味覚が低下しているのかもしれません。少しでも食べたいものを用意しましょう。

* 野菜はボリュームを減らすと、少ない量で栄養を多くとることができます。

3.食事の準備がめんどう

* 手軽に準備できるように、これらの食品を置いておきましょう。

上の図は、常温(じょうおん)・冷凍庫(れいとうこ)にあると便利な食品と調理のコツです。調理と言ってもレンジ、湯せん、そのままで食べられるため、とても簡単で、種類が豊富です。いくつか組み合わせるだけで栄養バランスを整えることができます。
(注意)これらばかりになると食塩相当量が多いものがありますので上手に使いましょう。

また、冷蔵庫(れいぞうこ)にあるとすぐに食べられて便利な食品は、卵・とうふ・納豆・ヨーグルト・牛乳・チーズなどがあります。いつもあると安心ですね。

4.かみにくい、むせやすい、飲みこみにくい
* 食べやすくする方法があります。

※参考:スマイルケア食(新しい介護食品):農林水産省 (maff.go.jp)https://www.maff.go.jp/j/shokusan/seizo/kaigo.html

以前よりむせがひどくなった、食事量が減った、心当たりのない体重減少が続く方は、なるべく早めに当クリニックを受診の上、主治医へご相談ください。
必要に応じて栄養相談を受けていただくこともできます。

今後も、栄養・食事に関しての役立つ情報を発信していきたいと思います。
※医師から糖尿病や腎臓病などで食事指導を受けられている方は指導内容を優先してください。

http://www.yaeikai.com/medical-index.html

投稿者:やよいメディカルクリニック 管理栄養士 柑本

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